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クリニック経営 成功への道

クリニック経営が赤字のときの対策(売上対策編)

クリニック経営が赤字のときの対策(売上対策編)黒字化への最短ルートを公認会計士が徹底解説

はじめに:なぜ今、クリニックの「経営力」が問われているのか?

クリニックを開業し、地域医療に貢献されている院長先生にとって、日々の診療は情熱そのものだと思います。しかし、理想の医療を継続するためには、クリニックを一つの「事業」として黒字を出して存続させなければなりません。

クリニックの収入から、スタッフの人件費、テナント家賃、医療機器のローンやリース料、水道光熱費などの「クリニック経費」を差し引き、さらに先生ご自身の生活費や税金を支払った後の収支がマイナス(赤字)であれば、クリニックの資金は刻一刻と減っていきます。資金が底をついてしまえば、先生にどんなに優れた医療技術があっても、クリニックを閉院せざるを得なくなります。

「医師として医療技術を磨くだけでなく、経営者として黒字化を目指すこと」は、患者様を守るための責務でもあります。

本コラムでは、クリニック経営・税務に特化した平井公認会計士事務所の視点から、クリニックの赤字を解消し、健全な黒字経営へ転換するための具体的な対策を詳しく解説します。

赤字解消の鉄則:収入を増やすか、支出を減らすか

クリニック経営が赤字である状態は、シンプルに言えば「収入 < 支出」の状態です。これを解消するアプローチは、大きく分けて以下の2点しかありません。

  1. 収入(売上)を増やす対策
  2. 支出(コスト)を減らす対策

今回は、即効性が高く、かつ長期的な安定経営に寄与する「収入を増やす対策」を中心に詳しく解説していきます。支出(コスト)を減らす対策については、「クリニック経営が赤字のときの対策(経費削減編)」をご参照ください。

さて、クリニック経営における収入の基本構造は以下の数式で表されます。

収入 = 患者数 × 売上単価

売上単価とは、患者さん一人当たりの平均の売上高のことです。売上単価が一定でも患者数が増えたら、収入が増えます。反対に、患者数が一定でも売上単価が増えたら収入を増やすことができます。

収入を増やして赤字脱却をするためには、この「患者数」と「売上単価」のどちらに課題があるのかを冷静に分析する必要があります。

【最優先】売上単価を上げるための戦略的アプローチ

多くの先生から「患者数を増やすのと、売上単価を上げるのはどちらが先か?」というご相談をいただきます。私、平井の私見としては、まずは「売上単価」の検討から始めることをお勧めしています。

理由は明確です。患者数を増やすには、追加の人員配置や材料費、あるいは待ち時間増加による患者満足度の低下といったコスト・リスクが伴います。一方で、単価の適正化(取りこぼしの改善など)は、経費を増やさずに直接利益を押し上げるからです。

① 保険診療単価の「取りこぼし」を徹底チェック

まずは自院の現在の立ち位置を把握しましょう。

  • 1回当たり単価:患者1名が1回の受診で支払う平均額(窓口負担+保険診療報酬)。
  • レセプト単価:患者1名あたりの1ヶ月の合計単価(1回当たり単価 × 月間来院回数)。

厚生局のホームページでは診療科ごとの平均レセプト単価が開示されています。例えば、九州・沖縄における令和7年度の平均レセプト単価は、こちらのページ(PDF)です。このように都道府県別に平均レセプト単価が公表されています。

自院の平均単価が平均より低い場合、本来算定できるはずの「点数」や「加算」を取りこぼしている可能性があります。

特に診療報酬改定のアップデートは煩雑で、ベテランの受付スタッフであっても最新情報を追いきれていないケースが散見されます。平井公認会計士事務所では、提携会社と協力し、こうした算定漏れの調査・改善支援も行っています。ご相談いただいた後に、すぐに売上高を高められたケースが少なからずあります。

② 自費診療(自由診療)の価格設定を見直す

昨今の物価高騰により、診療材料費や試薬の仕入れ価格は上昇しています 。にもかかわらず、自費診療の単価を数年前から据え置いているクリニックは少なくありません。

  • 適正価格への引き上げ:材料費の高騰分を反映し、適正な利益が出る価格へ改定することは、事業継続のために正当な判断です。
  • クロスセル(付帯販売)の強化:例えばシミ取りの施術に来られた患者様に、自宅ケア用のドクターズコスメを勧めることで、1回の来院における顧客単価(LTV)を高めることができます。

「自費診療の単価を上げたら患者さんが来なくなるのでは?」と心配される先生もいらっしゃいます。平井公認会計士事務所では「単価をどのようにしたらいいのか?」といったご相談にも対応しています。まずは、クリニックの経営分析をして戦略的なアプローチをご提案します。

患者数を増やすための「5つのターゲット」別対策

単価の適正化と並行して、患者数の増加を図ります。患者さんを認知度や心理状態などで分類し、それぞれの分類で患者さんがクリニックに来院してくださるためのハードルを解消する施策を打ちます。

A. 潜在的な患者さん(まだ自院を知らない層)を増やす

地域住民の方は、意外と近所にクリニックがあることに気づいていないことも多いです。まずは地域住民に「認知」してもらうことがスタートです。

  • WEB・SNS対策:SEO対策による検索上位表示や、ブログでの先生の人柄・専門性の発信。
  • アナログ広告:野立て看板、電柱広告、地域公民館での健康教室の開催。

B. 新規の患者さん(知っているが来院したことがない層)を増やす

新規の患者さんの中には、「気になっているが、入るのが不安」という方がいらっしゃいます。口コミ評価の改善や先生やスタッフにどのような人がいるのかなどを見える化し、心理的ハードルを下げます。

  • 口コミ対策:Googleマップ等の口コミ評価を改善する努力をします。不満の声を「宝」として受け止め、院内改善に活かす姿勢が重要です。
  • 情報の見える化:ホームページに院内の写真やスタッフの笑顔、自費メニューの明確な料金表を掲載します。

C. 既存の患者さん(再診・リピーター)を増やす

安定経営の鍵は「リピート率」です。一度ご利用いただいた患者さんが、再びクリニックに来てもらえるようにします。

  • 次回の予約管理:診察終了時に次回の来院の必要性を医師・スタッフから丁寧に説明し、その場で予約を取ってもらいます。
  • 他メニューへの誘導:保険診療で来られた方に、自費メニュー(点滴やワクチン、施術など)の案内を行うことも有効です。

D. 逃している患者さん(行きたいが、不便で他へ行っている層)を増やす

「待ち時間が長い」「駐車場がいつも満車」といった利便性の低さは、リピート率を下げ致命的な機会損失を生みます。

  • IT活用による効率化:WEB予約システム、WEB問診、自動精算機の導入により、待ち時間の短縮とスタッフの負担軽減を同時に実現します。
  • 受付対応の点検:院長が気づかないうちに、受付スタッフが忙しさのあまり早めに予約を締め切っていないか等、運用の実態を確認してください。

E. 離反した患者さん(一度来たが、来なくなった層)を呼び戻す

クリニックに来なくなってしまった患者さんのカルテを分析し、数ヶ月来院が途絶えている方へのアプローチも一考です。

  • リコール施策:公式LINEでの定期的な情報発信や、「その後いかがですか?」というお葉書の送付などが効果的です。

経営の「健康診断」:損益分岐点と経営指標の把握

クリニックの赤字対策は、闇雲に行うのではなく、まずは自院が「1日に何人の患者さんを診れば黒字になるのか」という損益分岐点を正確に把握しましょう。

黒字ラインの患者数計算(簡易版)

1日あたりの黒字ライン患者数 = 月間固定費 ÷ 診療日数 ÷ 1人当たり診療単価

月額固定費とは、テナントの家賃やスタッフさんの人件費、ローンなど、患者さんの診療数に関係なく毎月かかる費用のことです。

1日あたりの黒字ライン患者数は、例えば、月間固定費が200万円、月20日診療、単価4,000円の場合、1日25人が黒字のボーダーラインとなります。

平井公認会計士事務所が重視する指標

当事務所では、より精緻な分析のために以下の比率の分析を提唱しています。

(役員報酬合計 + クリニックの利益) ÷ 年間売上高 × 100

クリニックの利益とは、売上から経費を引いた残りの金額のことです。この比率が大きいと、売上に対して利益が得られていることを意味するため、経営が安定しやすいです。具体的な数値としては、25%以上であれば良好、30%を超えれば非常に健全な経営状態といえます。

これは平井公認会計士事務所独自の分析結果に基づくものです。

25%を下回っている場合は、単価の低さや、人件費・材料費などの経費構造にメスを入れる必要があります。

赤字対策における「落とし穴」と専門家の役割

赤字のときこそ、焦って「節税」ばかりを考えたり、無理な投資をしたりするのは危険です。

  • 過度な節税のリスク:赤字の状態で無理な節税(不必要な経費支出)を行うと、さらに手元の現金が減り、資金ショート(倒産)の引き金になります。
  • 事業計画の重要性:単なる「融資を通すための書類」ではなく、現実の診療単価や来院日数に基づいた「実態ベースの計画」を立て直すことが不可欠です。

私たち平井公認会計士事務所は、約100件のクリニック顧問先の実データを保有しています。診療科ごとの平均的な単価、人件費率、材料費率を熟知しているからこそ、「先生のクリニックのどこに改善の余地があるのか」を数字という客観的な根拠を持って示し、適格なアドバイスをすことができます。

まとめ:赤字は「クリニックが良くなるための宝」

クリニック経営が赤字であることは、決して恥ずべきことではありません。それは、「今のやり方に改善のヒントが隠されている」という重要なサインです。

単価を見直し、患者様一人ひとりと向き合う効率を高め、無駄な支出を削ぎ落とす。このプロセスを乗り越えたクリニックは、以前よりも強く、地域に愛される存在へと進化します。

「数字が苦手で、どこから手をつけていいか分からない」
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そんな不安をお持ちの院長先生、ぜひ一度、クリニック経営の「かかりつけ医」である私たちにご相談ください。先生が安心して診療に専念できるよう、私たちが数字と戦略で全力サポートいたします。

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平井公認会計士事務所では、現状の決算書や試算表をもとにした「経営改善相談」や「黒字化シミュレーション」を無料で承っております。

  • 現在の損益分岐点の算出
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この記事の著者

平井公認会計士事務所
公認会計士・税理士:平井 恵介


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