税理士の医療経営コンサルは何を支援してくれるのか?
- 2026.02.27|クリニック経営 成功への道

福岡のクリニックからのご相談:表面上の「黒字」に隠された罠
福岡市内で内科クリニックを経営する、ある院長先生から次のようなご相談が寄せられました。
「顧問契約している税理士事務所からは『順調に黒字です』と言われている。しかし、日々に多くの診療に追われているが、ふと通帳の残高を確認すると、利益の額ほどには現金が増えている実感が全くない。それどころか、利益が出ていることと、手元に『現金』が残っているということは全く別物だと思い知らされている。毎月の借入返済とスタッフの給与、さらには年に2回のボーナス時期が重なると、常に資金繰りがギリギリで、夜も眠れないほど胃がキリキリする……」
これは、クリニックを経営される多くの院長先生が経験される、悲痛な叫びとも言えるご相談です。
先生は非常に熱心な方で、地域住民からの信頼も厚く、外来患者数も順調に伸びていました。それにもかかわらず、なぜ経営の足元はこれほどまでに不安定だったのでしょうか。
何が問題だったのか? 「伝わっていない」数字の恐怖
経営が不安定な原因を究明するために、過去の決算書と試算表、そして銀行との返済予定表を精査したところ、問題の本質が浮き彫りになりました。
決算書を分析した結果、前任の税理士や事務所スタッフが、「税務上の利益が出ていること」と「現金が増えているかどうか」、さらには「最終的に現金が残っていること」は全くの別物であるという経営の真理を理解していなかったようです。また、決算書の数字を先生が経営判断に活かせるレベルまで、「十分に、かつ繰り返し伝えていなかった」ことこそが最大の過失でした。
税務上の「利益」が出ていることと、通帳に「現金」があることは、全く別の次元の話です。
前任の担当者は「利益が出ているから、節税のために高額な医療機器を買いましょう」とアドバイスし、それに従って購入していました。しかし、前任の税理士は、その機器の導入によって「毎月の返済がいくら増え、通帳からどれだけ現金が消えるか」という、経営者として最も重要な視点を共有していませんでした。
その結果、利益(ペーパー上の数字)は積み上がっているのに、現金は目減りし続けるという「黒字倒産」の一歩手前まで追い込まれていたのです。黒字倒産とは、ペーパー上では黒字なのに現金が足りなくて倒産してしまうことです。
よくある税理士事務所の報告の限界:数字の読み上げに価値はない
一般的な税理士や税理士事務所のスタッフが行う報告は、その多くが「数字の読み上げ」に終始しています。「今月は売上がこれくらいで、利益がこれくらいでしたね。順調です」という、過去の結果をなぞるだけの事務報告に、先生を勝たせる力はありません。
先生が求めているのは、単なる数字の読み上げではなく、「この数字が何を意味し、同じ診療科と比較してどこが異常なのか。そして今、手元の現金をどう動かすべきか」という未来への指針のはずです。
クリニック専門の平井公認会計士事務所の支援内容:軍師の戦略
平井公認会計士事務所は、単なる「税金の計算係」ではありません。「経営の数字」で武装し、激戦区・福岡で先生のクリニックを勝ち残らせるための「軍師」です。
開業後の経営相談だけでなく、開業準備での事業計画の相談にも対応しています。
① 根拠なき「バラ色の経営計画」を外科手術的に切る
開業準備中、ハウスメーカーの担当者や開業コンサルタントは「開業初月から患者が1日40人来院」といった、到底あり得ないバラ色の事業計画書を持ってくることがあります。私たちに相談があると、このような事業計画を先生の目の前で外科手術のように切り裂きます。
実際には、内科であれば、開院直後は1日の外来患者数が10人未満、日によっては「1日2人」という状況が1~2ヶ月続くことも私は実務で経験しています。バラ色の事業計画書通りに開業をしていたら半年ほどで倒産することもあります。
当事務所が持つ診療科別のリアルな実数に基づき、「最悪のスタートでも資金が底をつかない計画」を再構築します。
② 銀行・リース会社から「キャッシュ」を勝ち取る実戦交渉
銀行やリース会社と有利な契約ができると、資金繰りが良くなります。
銀行からの資金調達において、「設備と運転資金を1本にまとめて20年返済にする」「元本据置期間(スキップ)を1年勝ち取る」といった交渉は、平井公認会計士事務所の得意分野です。
医療機器のリースにおいても、日医リース等で「返済開始を契約時から半年後に遅らせてもらう」交渉も行います。立ち上がり時期の現金が足りない時期は、1円でも多く残しておく。これが私たちの定石としている戦い方です。
③ 利上げ要請への「対抗交渉」:強固なロジックを提供
最近は、多くのクリニックが銀行からの利上げ要請も多くあっています。しかし、銀行側の「市場環境の変化ですから」という言葉に安易に応じてはいけません。平井公認会計士事務所では、銀行の提示する金利が妥当かどうか、膨大な顧問先データと照らし合わせます。
交渉では例えば、「先生、財務体質が同等の他院の金利は1%ですが、先生のところが1.3%というのは明らかに高いです。他行に交渉してみませんか?」と提案し、実際に他行から1%の条件を引き出した上で、「他行では1%なのですが、なぜ御行は1.3%なのですか?」と具体的な比較対象をぶつけます。
また、金利引き上げの要請をされたときにも、「他のクリニックさんで他行から借りているところは、御行よりも引き上げ率は低いようですね」という事実を突きつけ、銀行と対等に渡り合うためのロジックを提供します。
④ 守秘義務を遵守した「生きた給与相場」の提供
先生が知りたいのは、自院の経営がうまくいっているかどうかです。例えば、「人件費率」という抽象的な指標だけでなく、「近隣の看護師給与はいくら、受付事務スタッフの給与はいくらか」という実態です。
もちろん、特定のクリニック名が出るような情報漏洩は論外です。私たちは守秘義務に細心の注意を払い、エリアや診療科を適切にグルーピングした上で、情報が漏洩しないよう細心の注意を払いながら「求人票には載らない真実の相場」を共有します。
また、スタッフの給与は「賞与の給与化」という戦略も提案します。「賞与3ヶ月分を2ヶ月に抑え、その1ヶ月分を基本給に乗せる」ことで、求人票上の「月給」を高く見せ、採用難を突破した他院の成功事例を横展開します。
医療経営の決算書で見るべき数字とは?:現金の管理
決算書において、先生が最も注視すべきは「利益」だけではありません。「クリニックの通帳に残るお金の金額」です。
① 「通帳に残るお金」の真実の計算式
平井公認会計士事務所では、以下の計算式を徹底管理します。
- 【医療法人の場合】
手元に残る現金 = 利益(P/L) + 減価償却費 - 借入金元本返済 - 保険積立金 - 【個人事業主の場合】
手元に残るお金 = 利益(P/L) + 減価償却費 - 借入金元本返済 - 生活費 - 支払基金(社保)源泉徴収税額
見落としがちなのが「支払基金からの源泉徴収」です。社保入金時にはあらかじめ税金が引かれています。医療法人と個人事業主のクリニックとでは、経営診断の仕方が若干異なります。
この事実を説明受けていないと、資金繰りが思っているより苦しい原因が分からぬまま経営することになります。これはまさに「人柄が誠実だからといって、医療技術のない人に心臓の手術を任せている」のと同じような危うさなのです。
② 「人柄」と「技術・実績」を混同してはいけない
心臓の手術を任せるなら、医師の人柄が良いのは当然として、その上で高い「医療技術」と「実績」を見るはずです。経営も全く同じです。
財務諸表の読み方を理解していない保険営業マンや、数字の読み上げしかできない前任の税理士に大切なクリニックの現金を委ねることは、医師ではない者にメスを握らせるのと同義です。
「最高税率55%」を狙う開業費の戦略的活用
「開業費」とは、開業準備のために支出した費用のことです。この費用は、税務上「任意償却」が認められており、「好きな時に、好きなだけ経費にできる」という非常に自由度の高いルールがあります。
開業費の償却タイミング:最高税率を狙い撃つ
よく、「利益が出たら経費を使う」ということが言われますが、所得が低い開業当初に、わずかな黒字を打ち消すために(所得をさらにマイナスにするために)開業費を使ってしまうのは、非常に効率の悪い選択です。
クリニック経営の極意は、所得が上がり、税率が高くなる将来まで開業費を温存することです。
特に所得が4,000万円を超える見込みがある場合には、所得4,000万円超になるまで開業費を温存します。なぜなら、
最高税率45%+住民税10%=計55%
という最大の節税効果を得られるからです。
例えば、開業費で1,000万円を温存していたとします。それを税率55%の時に償却すれば、550万円の現金が手元に残ります。低税率の時に使ってしまうのとでは、手残りの現金に数百万円の差が出るのです。
もちろん、全てのクリニックが4,000万円に達するわけではありません。開業して1年~2年程度、売上や利益の伸びを計測し、4,000万円超になるのが現実的に難しいという判断であれば、その手前の所得段階(例えば税率33%や43%のレンジ)で償却する選択をすることもあります。
これを顧問先である先生と十分検討した上で決定し、先生の手元に残るお金を最大化するのが、平井公認会計士事務所の「軍師」としての仕事です。
医療機器の「値崩れ」情報まで網羅
私たちは数字だけでなく、医療機器の価格や割引条件など、医療業界の「旬の価格」も把握しています。
例えば、アボット社の「ID NOW(PCR検査機)」。コロナ、インフルエンザ、溶連菌の検査ができる機械です。コロナ禍初期は130万円ほどしましたが、現在は30万円まで下がり、かつ30万円分の試薬が付いてくる実質ゼロ円に近いプランがある、といった情報を即座に共有します。
こうした情報一つで、先生の投資判断は劇的に効率化されます。
減価償却の戦略と住宅ローン控除の高度なパズル
新しい医療機器を導入するなどの、高額な設備投資を行った際、その支出を数年に分けて経費にするのが「減価償却」です。医療機器は数年に渡って使用できるので、購入した代金を購入した年に一括で経費とするのではなく、数年で按分して経費計上します。
定額法と定率法の違い
減価償却の方法には、定額法と定率法の2種類あります。
- 定額法:毎年一定の額を均等に経費にします。
- 定率法:初年度に最も多額の経費を計上し、年々減らしていきます。早期に所得を圧縮したい場合は定率法が好まれますが、住宅ローン控除がある場合は話が別です。
どちらの方法で減価償却をしたらいいのか、詳細に計算をして先生のクリニックに現金が残りやすい方法を選びます。
住宅ローン控除を殺さない償却戦略
住宅ローン控除は、住宅ローンを支払っている先生が受けられる控除です。年度末時点のローン残高に応じて、「算出された所得税そのもの」から直接差し引く強力な税額控除です。
開業当初、定率法で無理に経費を積み増して所得を抑えすぎると、所得税額がゼロになり、せっかくの数百万の控除枠を使い切れずに捨ててしまうこともあります。
平井公認会計士事務所では、あえて経費を抑えて所得を残し、税額控除をフル活用しつつ、将来の経費(償却枠)を温存する緻密なシミュレーションを行います。
赤字でも「専従者給与」を出すべき理由
専従者給与とは、個人事業主として開業された先生と生活を共にする家族を専従者として雇い、支払う給与のことです。クリニック開業当初の赤字のときに、専従者給与を出さない先生は多いことでしょう。
ところが、開業初年度、所得が出ないからといって専従者給与を支給しないのは、将来の節税チャンスを捨てているのと同じです。
専従者に所得税が発生しない程度の給与を支給すれば、事業主の所得はさらにマイナスになります。このマイナス(繰越欠損金)は3年間、将来の黒字と相殺できる「節税の権利」として貯金できるのです。
来年に黒字になるようであれば、あえて専従者給与を出し、この制度を利用することで、税金を低く抑えることができます。
「消費税還付」の緻密な損得勘定
開業初年度に多額の設備投資をする場合、「消費税還付」を受けられる可能性があります。
本来、クリニックを開業させた初年度は「免税事業者」と言って、消費税が免除されますが、あえて「課税事業者選択届出書」を出すことで、支払った多額の消費税を国から返してもらう権利を得られます。
消費税還付の仕組み:差額を受け取るということ
例えば、1億円の内装・設備投資をした場合、1,000万円の消費税を支払っています。一方で、初年度の自由診療売上が2,200万円(税込)あれば、患者から預かった消費税は200万円です。この場合、
預かった200万円 - 支払った1,000万円 = -800万円
となり、この差額の800万円が国から返ってくるのが還付の仕組みです。
諸刃の剣:翌年以降の「持ち出し」
この制度は、「消費税が返ってくるから」と安易に利用しても良いわけではありません。
その理由は、還付を受けてから3年間は課税事業者を強制されるため、その後の自由診療売上にかかる消費税をすべて納める義務が生じます。
還付された額よりも、その後の3年間の納税総額の方が多くなり、トータルで損をするケースが多々あります。特に、自費割合が高い美容皮膚科、美容形成、小児科などは、将来の売上予測に基づいた極めて緻密な検討が必要です。
平井公認会計士事務所では、このようなさまざまな税制の見落としなく活用し、先生のクリニックの将来の状況も考慮して、手元に現金が残りやすい方法を選択します。
現場の異変を「数字」から察知し、自衛策を講じる
平井公認会計士事務所は、帳簿の数字から「現場スタッフの動き」を読み取ります。
診察室からは見えない「受付の不正」
実際にあった事例ですが、「なぜか患者数が伸びない」と悩む先生がいました。調べてみると、受付スタッフが勝手に予約システムを「本日終了」にして、自分たちが早く帰れるように画策していたのです。
私たちは、経営の数字の動きからこうした異変を察知し、過去に顧問先で起きた実例を共有して注意を促します。スタッフの働きが明らかに怪しい場合には、「受付にカメラを設置する」といった具体的な自衛策の提案まで踏み込みます。
平井式「賞与財源算出フロー」でスタッフをパートナーへ
平井公認会計士事務所が顧問をしているクリニックでは、人件費の決め方に特長があり、スタッフが先生の善きパートナーとなるような仕組みをご提案しています。
それは簡単に述べると、売上に対する人件費率(例:25%)を目標値に設定し、その範囲内で出た余剰を賞与原資とする仕組みを構築します。「効率よく働き、無駄な残業を減らせば自分たちの賞与が増える」という当事者意識を持たせることで、組織は劇的に変わります。
人件費率については、「クリニックの人件費率とは?意味と妥当な数字を解説」をご参照ください。
まとめ:理想の医療経営コンサルは先生の「理想」を潰させない
以上、平井公認会計士事務所の支援内容を中心として、税理士がすでに開業している先生、もしくはこれから開業をする先生に、どのようなコンサルティング支援しているかを解説しました。
2025年9月、医師会の「令和5年度、6年度実態報告」によると、2024年度に経常利益が赤字の医療法人が全体の39%でし、前年よりも15%ほど増えました。個人事業主のクリニックでも先生の手取り収入が平均で2割ほど減少している計算になります。
このような厳しい時代にクリニックが生き残るためには、適格にアドバイスしてくれる医療経営コンサルタントの存在が不可欠と言えます。そして、先生の「軍師」として、数字に基づいて先生の理想実現に向けた的確なアドバイスができるコンサルタントを選ぶことが大切です。
クリニックの開業準備中は、先生の周りには「成功する」と言う業者ばかりが集まります。先生をおだててお金を使わせるコンサルタントもいます。しかし、開院した翌日からコンサルタントが去っていき、先生は孤独な経営者としての戦いを強いられることが多いです。
平井公認会計士事務所は、開業支援はもちろんのこと、開業後もその孤独に寄り添い、時には耳の痛い「数字の現実」を突きつける存在です。それは、先生の「理想の医療」と「ご家族の幸せ」を、激戦区である福岡県で何としても守り抜きたいからです。
父が46年かけて築き上げた診療所の経営を、息子として、そして会計士として見てきた私だからこそ、伝えられる「承継と経営の真実」があります。
まずは経営診断から
- 平井公認会計士事務所に、クリニック開業の事業計画書をチェックしてもらいたい。
- 仕事量の割にクリニックに現金が残りにくいので、決算書をチェックしてほしい。
- 開業して何年か経過するが経営診断をしてもらいた。
そういった先生は、平井公認会計士事務所まで、お気軽にお問い合わせください。
その際に、「ブログを見て経営診断をしてもらいたい」とご記入ください。
先生の理想の実現に向け、今日から「クリニックの数字を熟知した経営コンサルタント」の伴走を開始しましょう。
※ 医科特化のため、歯科の先生は原則対応しておりませんのでご了承ください
(受付時間:9:00~17:30 土・日・祝を除く)


