福岡の税理士によるクリニック開業支援
- 2026.02.24|クリニック経営 成功への道

福岡県は、全国でも類を見ないクリニックの超激戦区です。公的な統計によれば、福岡県の一般診療所数は、過去10年間で200件以上も純増を続けています。
これは、廃院や事業承継といった淘汰の裏側で、それを遥かに上回るペースで新規開業や分院開設が繰り返されていることを意味します。
この激戦区において、医師としての高い技術があるのは前提条件に過ぎません。それ以上に、一人の経営者として「盤石な財務戦略」と「冷徹なまでのリスク管理」を持たなければ、生き残ることは困難です。
医療をしてきた先生が、いきなり戦略的な経営者となることには無理があります。そこで、ほとんどの先生が、税理士やコンサルタントを参謀として経営しています。そういった参謀がいても、廃院が増えていることを鑑みると、参謀の力量にも原因がありそうです。
私はこれまで、約100件におよぶ開業支援の最前線に立ってきました。しかし、そのすべての相談や支援にて成功軌道に乗せられるものではありませんでした。
ある時、開業直前に顧問契約の打診を受けた際の話です。
提示された事業計画は、あまりにも現実を無視した「バラ色の未来」が描かれたものでした。融資総額は身の丈を遥かに超え、その非現実的な収支予測が仮にすべて的中したとしても、借入金の返済だけで経営が立ち行かなくなることが、数字のプロである私の目には明白でした。
その時点で既に融資は決まっていましたが、私はそのクリニックの将来を責任もって支え、守り抜くことは不可能だと判断し、断腸の思いで税務顧問の受託をご遠慮させていただきました。
当事務所は、「開業させれば終わり」というコンサルタントとは違い、私たちは先生のその後の人生、そしてご家族の幸せまでを背負っているものと考えます。だからこそ、時に先生が耳を塞ぎたくなるような厳しい真実を突きつける。それが平井公認会計士事務所の矜持であり、プロとしての誠実さであると確信しています。
以下、平井公認会計士事務所のクリニック開業支援の支援内容やスタンスについて解説いたします。開業を考えている先生にとって、開業支援を依頼するときの税理士選びの参考になればと思います。
クリニック開業支援の内容:単なる手続きを超えた「軍師」としての伴走
当事務所の開業支援は、単に銀行融資の交渉を代行したり、保健所や厚生局へ書類を提出する事務代行ではありません。先生が人生をかけて挑む巨大な投資を、着実に回収し、永続的な成長へと導くための「経営プロデュース」です。
① 「最悪のシナリオ」を前提とした外科手術的事業計画
クリニックの開業準備では、事業計画書を作成します。事業計画書を持って銀行などの金融機関に融資をお願いしに行きます。
事業計画書とは、クリニックの命運を握る「羅針盤」です。その数字は自由に設計できます。しかし、融資を引き出すためだけの「嘘の数字」が並んだ事業計画書は、開業後に手持ちの現金が少なくなって資金繰りが悪くなり先生の首を絞めることになります。
例えば内科の開業。一般論では「開業直後の立ち上がり時は、患者数が1日20人」などと言われますが、現実はもっと過酷な場合があります。
私たちが開業支援してきた内科クリニックでは、開院直後の1日外来患者数が10人未満、日によっては「1日2人」という状況が、1~2ヶ月も続くという極限状態を何度も経験してきました。もし、一般論を採用して1日20人の患者様が来院するものとして事業計画を立てていたとしたら、半年後には間違いなく資金繰りが苦しくなり、倒産を意識することになっていたと思います。
平井事務所では、そうした「冷徹な現実」から一切目を背けません。患者数がゼロに近い日が続くという最悪のスタートでも、資金がショートしないための逆算シミュレーションを行い、どのタイミングで、どの程度の運転資金が必要になるかを精緻に描き出します。
② 福岡の金融機関の「温度差」と「鮮度」を突く交渉戦略
福岡での資金調達において、福岡銀行や西日本シティ銀行といった地銀との交渉は避けて通れません。しかし、銀行にはその時々の「鮮度」と「方針」があります。
数年前までは、西日本シティ銀行がクリニック融資に極めて積極的で、福岡銀行が慎重な姿勢を見せていた時期がありましたが、最近ではその関係が逆転するような動きも見られます。さらに、支店や担当者によって、医療業界に対する経験値や情熱には雲泥の差があります。
現実に即した事業計画書を作成することはもちろんのこと、どの銀行の、どの支店の、どの担当者に話を持っていくと融資が得られやすいか。私たちはその「生きた情報」を基に、先生のプレゼンテーションをバックアップします。
③ 地銀2行に断られても諦めない「粘り」のルート構築
もし福岡銀行や西日本シティ銀行で融資を断られたとしても、そこで夢を諦める必要はありません。鹿児島銀行、佐賀銀行、北九州銀行、肥後銀行などは、福岡市場への攻勢を強めており、戦略的に融資を伸ばしたいと考えています。そのため、地銀2行が消極的な際でも、前向きに対応してくれるケースがよくあります。
過去には、他行が渋った案件に対し、鹿児島銀行の担当者から「平井公認会計士事務所が顧問としてしっかり支援されるのであれば安心です」と言葉を頂き、融資が満額決定した事例もあります。経営支援もしているクリニック専門の税理士事務所が顧問に入るということが、金融機関にとっても一つの「経営の保証」として機能しているのです。また、たくさんの税理士事務所の中で、福岡でのクリニック開業支援では当事務所が金融機関から信用されているようで、ありがたいことです。
④ 診療科別の「実数」を根拠にした圧倒的な説得力
当事務所には、現実に福岡で運営されている各診療科の膨大な経営データがあります。内科20、耳鼻科11、皮膚科11、整形外科8、その他、ほとんどすべての診療科の顧問をしております。
これらの顧問先から得られる、リアルな外来数や外来単価などの実情の数字に基づいて、事業計画書を作成しています。銀行の審査では、「ネットに載っている平均値」ではなく、「現実に福岡で稼働しているクリニックの根拠資料」を事業計画に添付するので、説得力は格段に違います。
平井会計士事務所による開業支援の特長:現場の「血」が通った独自の強み
ハウスメーカーやコンサルティング業者が事業計画書を作成するときに、ひた隠しにする「経営の不都合な真実」をご存じでしょうか?
それは「診療科ごとの事業計画の立て方を知らない」ということと「事業計画書通りに開業準備ができないことがある」ということです。
私たちは、先生の利益のためにすべて白日の下に晒します。
① 医療機関にのみ特化した「専門性」という武器
当事務所は建設業や飲食業の顧問を一切持たず、医療機関の税務・会計・経営指導にのみ特化しています。そのため、診療科ごとにどうしたら売上高が増やせ、資金繰りを良くできるのかを把握しています。例えば、診療科ごとに季節変動がある場合があります。
- 耳鼻咽喉科:花粉シーズンやインフルエンザシーズンに爆発的なピークが来るキャッシュフローの特性。
- 皮膚科:花粉の時期に加え、汗もや子供の虫刺され、怪我が増える「夏場」が最大の繁忙期となるサイクル。
- 美容クリニック:紫外線が強い夏場はレーザーを避ける患者が多く、秋から冬にかけて需要が増加し、クリスマスや年末年始のイベント期に売上が跳ね上がる動向。
これら診療科ごとの閑散期と繁忙期の「季節の波」を知らずに、適切な資金繰り管理は不可能です。
② 借入金額は「お守り」として多めに確保する
クリニックの先生は真面目な方が多く、「借金はできるだけ少なくしたい」と考えがちです。
しかし、経営計画を立てる上で、医療機器などの精緻な見積もりが出る前の段階で、ギリギリの額で融資枠を作ってしまうのは、経営上最も危険な行為です。内装工事や医療機器の見積もりは、事業計画書を作成して、銀行に提出した後に行うことが多いのです。
内装工事や医療機器の打ち合わせが進むにつれ、見積もりは往々にして上振れします。その際、融資枠に余裕がないと、せっかく蓄えた運転資金を食い潰し、開業直後に資金ショートのリスクに晒されます。
私たちは、最初から「余裕を持った、少し多めの金額」で銀行に相談します。多めに借りて発生する利息は、不測の事態からクリニックを守るための「お守り代」です。経営が軌道に乗れば、いつでも繰り上げ返済すればよいのです。
クリニック開業までのスケジュールと支援の流れ:失敗を未然に防ぐ逆算術
開業準備は、「逆算のスケジュール」がすべてです。勤務医として多忙な先生が、開業直前にパニックに陥らないための工夫を尽くします。開業準備で知見の少ないコンサルタントが事業計画を立てたときによくあるトラブルをご説明します。
【開業1年前:融資書類の準備開始】
銀行融資の申し込みには、確定申告書3期分、履歴書、個人資産確認書など、膨大な書類が必要です。私たちは、ご相談があった初動の段階でこれらの準備を依頼します。
また、ビルクリニックの場合、「定期借地契約期間」が融資期間の最長ラインになるという落とし穴があります。15年契約であれば、融資も15年返済に縛られます。
これを知らずに20年返済のつもりで計画を立てると、月々の返済額が跳ね上がり、当然ながらキャッシュフロー(資金繰り)が破綻しやすくなります。
【「開業費」という名の埋蔵金を死守する】
開業前に支払ったセミナー代、市場調査のガソリン代、挨拶回りの手土産代。これらはすべて「開業費」として、開業後にいつでも好きなタイミングで経費化できる節税の武器になります。領収書を整理せず捨ててしまうのは、お金を捨てているのと同じです。
私たちは、領収書の具体的なまとめ方や、通帳へのメモの残し方まで、徹底して指導します。
クリニック開業支援開始までの手続き:第一歩をどう踏み出すか
- 初回面談と「過去2年」の精査:開業の2年前に不動産売却などで1,000万円以上の臨時収入がなかったかを確認します。もしあれば、開業初年度から「消費税課税事業者」になる可能性があり、自費売上への納税義務が発生します。その一方で、高額な設備投資に対する消費税還付を受けられるチャンスも生まれます。この判定一つで、数百万~一千万円単位のキャッシュ残高が変わります。
- 経費具体例リストの提供:「何が経費になり、何がならないか」の具体例をまとめたリストをお渡しします。スーツ代が業務上の必要性から認められた事例や、逆に私的利用と見なされ否認されたケースなど、実務的な境界線をレクチャーします。
- 「予算実績確認表」による管理:事業計画書で医療機器の費用を3,000万円としていたものが、業者の提案でいつの間にか4,500万円に化けることがあります。また、気が大きくなってロゴ入りアメニティを大量発注し、運転資金を削る先生もいます。当事務所では、予算と実績を常に突き合わせる管理表を導入し、無駄な支出を食い止めます。
これまでの開業支援の実績:福岡での「修羅場」の蓄積
- 顧問数:159件(2026年2月15日現在:医療法人、クリニック開業医、調剤薬局、社会福祉法人、MS法人、医療法人役員や家族などの個人含む)
- 住民税の「時間差攻撃」への対策:開業初年度、手元資金が最も心許ない時期に、勤務医時代の高額所得に基づいた住民税が容赦なく襲ってきます。私たちは、この支払額とタイミングを事前に伝え、資金繰り計画に織り込みます。
- 毎月の納税スケジュール管理:源泉所得税、スタッフの住民税、社会保険料、労働保険料、償却資産税……。個人事業主になると、ほぼ毎月、何らかの税金や保険料の納付が発生します。それらすべての予定をカレンダー化し、先生を「支払いの恐怖」から解放します。
クリニック開業よくある質問Q&A:数字のプロが本音で答える
Q1:職員に商品券を配っても大丈夫でしょうか?
結論から言えば、商品券は「現金」と同じ扱いです。1名あたり1万円の商品券を配布した場合、その職員には1万円の「給与」を渡したとみなされ、所得税の源泉徴収や社会保険料の対象になります。換金性が高いため、税務上は福利厚生ではなく、給与・ボーナスと同様に課税されます。
対策:もし所得税等をかけずに渡したいのであれば、忘年会等の行事での「ゲームの景品(概ね1万円以下)」として配布する、あるいは要件を満たした「旅行券」としての支給(使用用途が限定され、実質的に金銭支給と認められない場合)など、リスクの低い方法を検討する必要があります。
Q2:車を一括の支払いで購入すべきか、分割にすべきか迷っています。
一括購入は分割手数料がかからないメリットがありますが、クリニックの通帳から多額の現金が一度に消えるという、最大のデメリットがあります。将来的に医療機器の更新や修繕、予期せぬ欠損が生じた際、現金がないことは致命傷になります。
現状、手元資金が潤沢であっても、安全性を確保するために分割払いやリースを選択し、現金を温存しておく方が、経営上の「守り」は固くなります。減価償却費(経費にできる額)は、一括でも分割でも同様に計上されます。
Q3:医療法人で「3台目の車」は経費として認められますか?
日々、診療や往診、通勤に使用している実態があれば可能です。
ただし、注意点があります。例えば「福岡のクリニックなのに、東京の大学に通うお子様が使っている車」を法人の経費にするようなケース。これは、本来の事業とは無関係なため否認されます。
「他院で問題なかった」という話を聞くことがありますが、それは単に税務署に見つかっていないだけか、他の論点が大きかっただけです。税務調査官は、調査に入る数日前から、クリニックの駐車場をこっそり見に来ることもあります。業務での使用実態を説明できるようにしておくべきです。
Q4:役員の人間ドック費用を福利厚生費にできますか?
一部の役員だけが受けている場合は、特定の個人への利益供与と見なされ、否認されるリスクがあります。「40歳以上、または役員全員」といった基準を明文化しておくことが不可欠です。
また、費用が10万円程度なら妥当だと思われますが、50万円、60万円といった超高額なコースは、規程があっても否認される可能性が高いです。
調査官に「いくらならいいのか」と問うても「一概には言えない」とはぐらかされます。実務上は、常識的な範囲に収めることが最善の防御です。
Q5:医師会には入会すべきでしょうか?
経済的な面で言えば、医師会に入会することで「医師国保」に加入でき、所得が高い先生ほど保険料を安く抑えられる可能性があります。しかし、医師会費(入会金や年会費、建設協力金など)の負担も決して小さくありません。
当事務所では、医師国保の削減額と、医師会費の支払額を天秤にかけた「経済的比較表」を提示し、先生が納得して判断できるよう材料を揃えます。
開業後の経営支援:一生涯の「経営のかかりつけ医」として
開業はゴールではなく、先生の人生をかけた挑戦のスタートです。平井公認会計士事務所が、先生の参謀としてご支援いたします。
① 平井式「賞与財源算出フロー」でスタッフをパートナーへ
開業直後の先生によくある悩みがスタッフの賞与です。多くの先生が賞与の額を「なんとなく」で決めるから、スタッフの不満や不信感が生まれるという現状があります。
当事務所では、売上に対する人件費率(例:25%)を目標値としてあらかじめ設定します。人件費率25%に収まる範囲内で余った金額を、賞与の原資とする仕組みです。これをスタッフに周知することで、「無駄な残業を減らし、効率よく患者さんを診れば、自分たちの賞与が増える」という強烈な当事者意識が生まれます。
スタッフから「忙しいから人を増やして」と言われた際も、「人を増やせば人件費率が上がり、皆さんの賞与原資が減るけれど、それでもいいかな?」と、経営的な視点で対話ができるようになります。
人件費率については、「クリニックの人件費率とは?意味と妥当な数字を解説」をご参照ください。
② 医療法人化の「真実」のシミュレーション
先生の所得1,500万円は一つの目安ですが、本当のメリットは厚生年金負担の増加分まで計算し、手取り収入を最大化できるかにかかっています。医療法人化をすると、先生の所得を固定化する必要があるので、「現金の拘束」という大きなデメリットも伴います。
これらを緻密に計算し、先生の10年後の資産状況まで予測するのが平井公認会計士事務所の仕事です。
おわりに:先生の「理想」を、潰させない
開業準備中、先生の周りには「成功する」と言ってくる業者ばかりが集まります。しかし、開院した翌日から、先生は孤独な経営者としての戦いを強いられます。
平井公認会計士事務所は、その孤独に寄り添い、時には耳の痛い「数字の現実」を突きつける存在です。それは、先生の「理想の医療」と「ご家族の幸せ」を、福岡での激戦区で何としても守り抜きたいからです。
私は、父が46年かけて築き上げた診療所の経営を、息子として、そして税理士として見てきました。その私だからこそ、伝えられる「クリニック承継の真実」があります。
「本気で経営に向き合い、福岡で愛され続けるクリニックを創りたい」 そう決意された先生は、ぜひ一度、私たちの門を叩いてください。福岡で最も熱く、最も厳しい経営のパートナーが、先生を待っています。
先生の理想の実現に向け、今日から伴走を開始しましょう。
※ 医科特化のため、歯科の先生は原則対応しておりませんのでご了承ください
(受付時間:9:00~17:30 土・日・祝を除く)


