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【クリニック専門】平井公認会計士事務所|医科特化の経営支援・医療法人化(全国対応)

クリニック経営 成功への道

【資金難なら今すぐチェック】クリニック開業後に後悔する6つのポイントと対策

【資金難なら今すぐチェック】クリニック開業後に後悔する6つのポイントと対策

はじめに:開業後に「しまった」と気づいても、取り返せないことがある

クリニックを開業するとき、多くの先生は何ヶ月、何年もかけて準備をします。物件を探し、内装を決め、医療機器を選び、スタッフを採用し育成する。事業計画書を作り、銀行などの金融機関から融資を引き出し、ようやく開業の日を迎えます。

しかし、開業後1~2年が経過した頃、当事務所に「実は相談があるのですが」と連絡をくれる先生が後を絶ちません。

  • 「患者数は計画通りなのに、なぜかお金が残らない」
  • 「こんなに税金を払うとは思わなかった」
  • 「スタッフ問題で診療どころではない」

――そういった経営難に関する声です。

開業準備の段階では、「いかに開業するか」と開業することだけに全エネルギーが注がれます。しかし、「開業した後に何が待っているか」まで具体的にイメージできている先生は、残念ながら多くありません

本コラムでは、クリニック開業や経営を支援する医療専門の税理士事務所「平井公認会計士事務所」がこれまで見てきた100件以上の顧問先のリアルな実例をもとに、クリニック開業後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しやすい6つのポイントをお伝えします。

開業前の先生にはリスクの予防として、開業後の先生には現状の点検材料として、ぜひお読みください。開業コンサルタントから、「先生なら大丈夫です」と言われていても、開業後に問題の発覚が遅れ、ずるずると問題が大きくなることもあるので、できるだけ早めに6ポイントをチェックしてください。

後悔①:「売上は出ているのに、手元に全然お金が残らない」

開業後の先生方から最も多くいただく悩みが「手元にお金が残らない」です。毎月の診療報酬は入ってくる。患者数も計画通り。それなのに、通帳の残高がじわじわと減っていく――。

この現象の正体は、「損益計算書(P/L)の黒字と、キャッシュフロー(実際の現金の動き)のズレ」です。

損益計算書とは、決算書の一つで、売上から経費を差し引いた利益を表す財務諸表のことですが、この黒字の金額がそのまま現金などの手元資金になるわけではありません。

なぜ損益駅計算書(P/L)が黒字なのに手元資金が減るのか

最大の原因は「借入金の元金返済」です。

まず、ここで少し会計の仕組みをご説明します。クリニック経営を目指している、もしくはすでに経営をされている先生にとっては、とても大切なことですから、わかりやすく解説します。

損益計算書(P/L)の内容

P/Lには、売上高と経費の金額が列挙されています。

例えば、「売上高が1億円、経費が7,000万円、その差額の利益が3,000万円」という具合です。利益は基本的に診療報酬ですが、銀行からの利息収入などの営業外収益などもあります。費用には、売上原価や販売管理費の他に、「医療事故による損害賠償費用」といった特別損失などもあります。

それらの利益や費用を加減した、営業利益や経常利益、純利益といった利益が記載されています。その最終利益に税金等がかかります。この最終利益のことを、税金等調整前当期純利益や税引前当期純利益といい、税引き後の利益が純利益です。

設備投資費が経費として認められる減価償却

クリニックを開業する際、医療機器や内装工事などの設備投資に多額の費用が初期投資としてかかります。この費用は、大部分を銀行などから借ります。

例えば、開業時に3,000万円の設備投資をしたとします。この3,000万円を一括で銀行から借りて投資しますが、その3,000万円は全額がすぐに経費して計上できるわけではありません。

P/Lに「経費」として計上されるのは、設備の価値を耐用年数にわたって毎年少しずつ費用として計上する「減価償却費(げんかしょうきゃくひ)」です。

耐用年数とは、資産の種類ごとに国(税法)が定めた使用可能年数のことで、例えば医療用機器は4~6年、建物の内装工事は18年程度が目安です。設備によって法定耐用年数が異なりますが、仮に平均耐用年数が10年であれば、3,000万円を10年で割った年間300万円(月25万円)が経費として計上されます。

元金の返済は経費にならない

一方、実際に銀行に返済しなければならないのは「元金(がんきん)+利息」です。利息は経費として計上できますが、元金とは借りたお金そのもので、この元金の返済はP/Lの経費には計上されません。なぜかというと、借りたお金は「負債(借金)」であり、それを返すことは経費ではないからです。

つまり、こういう状況が生じます。P/L上の減価償却費は月25万円(経費として計上)、しかし実際の銀行への元金返済は月60万円。この差額35万円が毎月、損益計算書には現れない形で口座から出ていきます。「黒字のはずなのにお金が減る」という現象はこのようにして起きるのです。

消費税が「突然」発生する仕組みとクリニック特有の注意点

もう一つ、手元資金が減る大きな要因が「消費税」です。

消費税の納税義務は、原則として基準期間(2期前の事業年度)の課税売上高(消費税のかかる売上)が1,000万円を超えた事業者に発生します。

クリニックを新規開業する場合、2期前はまだ開業していないため課税売上高はゼロとなります。そのため、開業1年目・2年目は消費税の免税事業者(消費税を納税しなくてよい事業者)となるケースが多いのです(ただし、開業初年度に自ら課税事業者を選択した場合などは初年度から課税されます)。

ここで注意が必要なのが、クリニックの売上の構造です。保険診療による診療報酬は消費税が非課税(かからない)ですが、自由診療(健康診断、予防接種、美容施術など)の収入は消費税の課税売上になります。

免税期間中は消費税を意識しなくて済みますが、免税期間が終わり課税事業者になると、自由診療収入に対する消費税を納税する義務が生じます。

一方で、医療機器の購入や家賃など支払の多くには消費税が含まれていますが、保険診療収入が売上の大半を占めるクリニックでは、支払った消費税の還付が受けにくい構造になっています。

そのため、免税期間が終わるタイミングで突然、大きな消費税の納税が発生し、「この分の現金をどこから出すのか」と慌てる先生が少なくありません。

もう一つ見落としがちな要因:院長の生活費と源泉徴収

「クリニックは黒字なのに通帳が減る」もう一つの理由として、院長の生活費の問題があります。

個人クリニックでも医療法人でも、院長の「生活費そのもの」はP/Lの経費には計上されません

医療法人の場合、院長への役員報酬は経費として計上されますが、その役員報酬の中から院長が生活費を支出することになります。役員報酬を超えた生活費の引き出しは経費にはなりません。

個人クリニックの場合をより具体的に説明します。

P/Lで「利益+減価償却費-借入元金返済」がプラスであれば、クリニック経営そのものの資金収支はプラスです。しかし、そこから院長が生活費を引き出せば、その分だけ通帳残高は減ります。

先生の生活費の支出がクリニック経営の資金収支のプラス分を上回れば、通帳残高はマイナスになります。「クリニックは経営できているのに、なぜか手元資金が減る。なぜかマイナスになる」という状態です。

さらに個人クリニックの場合、社会保険診療報酬支払基金からの振込の際に、診療報酬の約10%が所得税として源泉徴収(あらかじめ天引き)されます。毎月の入金額が思ったより少ないのはこのためです。源泉徴収された税金は、確定申告後に精算されますが、それまでの間は手元資金が少なくなる効果があります。

【平井公認会計士事務所での実例】

内科クリニックを開業して1年が経過したA先生から「毎月黒字のはずなのに、手元資金が開業当初より500万円も減っている」とご相談がありました。

試算してみると、月次損益は確かに月30万円の黒字。しかし借入元金返済が月50万円、院長の生活費の引き出しが月40万円あり、キャッシュアウト(現金の流出)が損益上の利益を大幅に上回っていたのです。加えて開業3年目から課税事業者となり、消費税の納税義務も発生する予定でした。

当事務所の対応では、クリニックに「月次損益」ではなく「月次キャッシュフロー(月々の現金収支)」を毎月チェックする仕組みを導入し、今後の売上予測と年間の資金繰り計画を立て直しました。そして、先生が「今月はいくらまでなら生活費に使っても良い」という金額を把握できるようにしました。

今では、先生は将来の税負担まで見越した上で、安心して経営判断ができています。

今現在、クリニック経営をしていて、「黒字なのに現金が残らない」という先生は、開業前の事業計画書に「キャッシュフロー計算書」が含まれているか、今一度確認することをお勧めします。損益だけを見て「黒字だから大丈夫」と思っていると、ある日突然、資金が底をつくことになりかねません。

もしキャッシュフロー計算書が無い場合は、当事務所までご相談ください。先ほどの事例のように、年間の資金繰り計画の立て直しをご支援いたします。

後悔②:「こんなに税金を払うとは思わなかった」

開業医の税負担の重さは、勤務医時代には想像できません。勤務医は「給与所得控除」という大きな所得控除(勤務に伴う必要経費として一定額が自動的に差し引かれる仕組み)があり、実質的な税率が抑えられています。

しかし、開業医(個人事業主)は、事業所得から必要経費を引いた金額に対して所得税がかかり、累進課税(所得が高くなるほど税率が上がる仕組み)が適用されます。所得税の累進課税については、国税庁ホームページ「No.2260 所得税の税率」をご参照ください。

期中での予定納税の支払い負担

さらに厄介なのが「予定納税(よていのうぜい)」です。

予定納税とは、前年の申告納税額(確定申告で実際に納付した所得税の額)が15万円を超えると、翌年の確定申告前に所得税を分割して前払いする制度です。第1期分の納期は7月31日まで、第2期分の納期は11月30日まで、それぞれ前年申告納税額の3分の1ずつを納付します(2期合計で3分の2)。

開業2年目に突然この請求が税務署から来て、「いきなりそんな大金を払えない」と資金繰りが苦しくなる先生が後を絶ちません。

開業医が知っておくべき主な税負担の種類
税金の種類 内容 注意点
所得税 個人の所得に課される国税。最高45% 開業2年目から予定納税が発生(7月・11月)
住民税 所得に課される地方税。約10% 翌年6月から徴収。前年所得で計算
個人事業税 事業所得に課される地方税(医業は5%) ただし保険診療収入分の所得は原則非課税扱い。290万円の控除あり
消費税 基準期間(2期前)の自由診療収入等の課税売上高が1,000万円を超えた場合に納税義務が発生 免税期間終了後に突然の納税が発生するため事前の資金確保が重要

なお、都道府県の個人事業税については、医業の場合、保険診療収入に対応する所得部分は原則として事業税の対象外となります。実際の課税計算は複雑なため、医療専門の税理士に確認することをお勧めします。

開業医の税負担は重く、勤務医時代と同じ感覚でいると足元をすくわれます。

開業して手取りを増やすメリットを得るためには?

ただし、開業医には勤務医にはない経費計上の裁量もあります。車両費・交際費・新聞図書費・学会参加費など、業務に関連する支出を適切に経費として計上できるため、収入水準が同じでも開業医の方が手残りが多くなるケースも十分あります。これは開業の大きなメリットの一つです。

一方で、こうした節税メリットを最大限に活かすためには、正しい知識と医療専門の税理士のサポートが欠かせません。当事務所では開業前に「手取りシミュレーション」を必ず行い、どのタイミングでどれだけの税金が発生するかを先生に事前にお伝えしています。

なお、医療法人化(個人開業から法人格を持つ医療法人に移行すること)によって、役員報酬の設定や退職金制度の活用など、節税の選択肢が大幅に広がります。法人化のタイミングを誤ると数百万円単位で損をすることもありますので、早めに専門家や医療専門の税理士に相談することをお勧めします。

後悔③:「スタッフ問題に追われて、診療に集中できない」

「スタッフさえしっかりしてくれれば、経営は上手くいく」――開業前にそう思っていた先生が、開業後に最も頭を抱えるのがスタッフ問題です。

スタッフの給与の問題

クリニックのスタッフ採用は、一般企業の採用と比べて難易度が高い面があります。看護師・医療事務は売り手市場で採用競争が激しく、給与水準を誤ると優秀な人材が集まりません。かといって、初期段階で高い給与を設定すると、経費負担が重くなります。

給与は、患者様の来院数や売上高にかかわらず毎月固定で発生する費用になるため、特に患者数が少ない開業後直後は、経営を不安定にする大きな要因になります。

クリニック開業前の先生であれば、人材採用に不慣れなことと思います。平井公認会計士事務所の開業支援では、スタッフの給与をいくらに設定したらいいのか、人材採用の仕方、面接の仕方などもアドバイスしています。開業後も、人事的な問題があればご相談に対応しています。

人件費率の感覚のズレ

さらに問題なのが「人件費率の感覚のズレ」です。人件費率とは、売上に占める人件費の割合のことです。

クリニックの適正な人件費率は、診療科によって異なりますが、院長報酬を除いて概ね20~25%程度が目安です。当事務所では約100件のクリニックデータをもとに診療科別の適正値を把握していますが、開業当初は感覚的に人を採用した結果、開業初期に人件費率が適正水準を大きく上回り、損益を圧迫してしまうケースを多数見てきました。

【平井公認会計士事務所での実例】

開業から半年が経過した皮膚科クリニックのB先生から「赤字が続いていて不安」とご相談がありました。試算表(月次の収支をまとめた財務資料)を拝見すると、患者数は計画の8割に達していたにもかかわらず、人件費率が適正水準を大きく超えている状態でした。

原因を分析すると、開業時にやや多めに採用したスタッフ体制のまま、患者数が伸び悩んでいたためでした。先生も「いきなり辞めてもらうのは気が引けて」と踏み切れずにいましたが、当事務所で患者数の推移と損益分岐点(黒字・赤字の境界点)を可視化し、具体的な適正人員数をご提案。体制を見直した結果、3ヶ月後には黒字転換しました。

開業直後は赤字で不安ですが、当事務所の経営支援を受けることで黒字化が見え、先生は安心して経営に取り組めるようになりました。

スタッフ問題は感情的になりやすく、院長一人で抱え込んでしまう先生が多いです。「数字で見える化する」ことで、感情ではなく事実をもとに、理性的に判断できるようになります。経営の問題を「なんとなく不安」のまま放置しないことが重要です。

クリニックの適切な人件費率については、「クリニックの人件費率とは?意味と妥当な数字を解説」をご覧ください。

後悔④:「節税できると聞いていたのに、全然できていなかった」

「開業して医療法人にすれば節税できる」「経費でなんでも落とせる」――開業前にこのような話を聞いて期待していた先生が、実際には全く節税できていないことに気づくケースがあります。

節税には、正しい知識と、適切なタイミングでの意思決定が不可欠です。特に開業直後から対策しなければ、後から取り返せないものがあります。

開業後すぐに検討すべき節税策

  • 小規模企業共済への加入(月最大7万円まで掛金が全額所得控除)
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用(掛金が全額所得控除)
  • 経営セーフティ共済(倒産防止共済)への加入(年最大240万円まで損金算入可能)
  • 妻や家族への給与(青色事業専従者給与)の設定
  • 医療法人化のタイミングの検討(一般的に所得1,500万円超が目安)

開業初年度は収入が少ないため節税意識が薄れがちですが、患者数が増え所得が増えてくる2~3年目にかけて一気に税負担が重くなります。「そのとき慌てて動いても間に合わない」節税策が多くあります。

妻や家族への給与の設定にも適切な金額があるので、要注意です。

引退後の生活資金の準備

特に注意が必要なのが「引退後の生活資金の準備」です。

勤務医には勤務先が用意する退職金制度がありますが、個人事業主(個人クリニック)は自分自身への退職金を経費として計上することができません。そのため、開業直後から小規模企業共済やiDeCoなどを活用した自助努力による積立が欠かせません。

医療法人化すれば理事長への退職金を法人の経費として計上できるようになりますが、個人事業主のうちは計画的に資産を形成しておく必要があります。

引退時に「手元に何も残らなかった」とならないよう、当事務所では開業直後から長期の資産形成計画を一緒に考えます。

後悔⑤:「開業コンサルに言われたままにしたら経営難になっていた」

クリニックの開業では、医療機器メーカー・内装業者・不動産業者・開業コンサルタントなど、多くの業者が関わります。これらの業者が開業コンサルタントを名乗り、先生の開業をサポートしてくれる心強い存在ですが、同時に「自社の商品・サービスを売りたい」という利害関係もあります。

当事務所で見てきた事例の中に、開業コンサルタントが「このエリアは有望です」と推薦した物件で開業したところ、実際には競合クリニックが翌年に近隣に開業し、想定患者数を大幅に下回った、というケースがあります。同じコンサルタントが、商圏が被る場所に、競合クリニックを開業させるという、誠実さに欠けるケースも見受けられます。

コンサルタントによっては収益モデルがさまざまであるため、提案の背景にどのような利害関係があるかを先生ご自身が把握しておくことが重要です。

また、医療機器についても、医療機器卸の営業担当者が開業コンサルティングを行い、「最新のものを導入すれば患者が増える」という売り文句で高額な機器を勧めてくることがよくあります。それを信じて購入したものの、稼働率が低く、毎月のリース料だけが重くなり、経営難に陥っているケースもあります。

開業支援業者選びの際に確認すべき3つのポイント

  • その業者はどのような収益モデルで運営しているか
  • 提案内容に数字(収支シミュレーション)が伴っているか
  • 開業後のサポート体制があるか、または開業して終わりか

開業コンサルタント・医療機器業者・内装業者が悪意を持っているわけではありません。しかし、「誰が先生の利益を最優先に考えているか」を常に意識することが重要です。財務・税務の観点から第三者的に助言できる専門家(医療専門の公認会計士・税理士)を早期に確保しておくことが、後悔を防ぐ有効な手立てになります。

当事務所では、他社の開業コンサルタントが立てた事業計画書をチェックするセカンドオピニオンとしての支援もしています。開業コンサルタントの提案に不安を感じたら、当事務所までお気軽にご相談ください。

後悔⑥:「数字を見ずに経営していたら、気づいたときには手遅れだった」

これが、最も深刻な後悔です。

クリニックの院長は本来、医師です。診療に全力を注ぐことが使命であり、経営数字に向き合う時間は限られています。「顧問の税理士に任せているから大丈夫」「毎月の試算表は受け取っているが、内容はよくわからない」という先生も少なくありません。

しかし、試算表(月次の収支報告書)を「受け取っているだけ」では経営管理にはなりません。重要なのは、「試算表が示す数字が何を意味しているのか」「このまま進んだら半年後・1年後の経営がどうなるのか」を把握することです。

毎月確認すべき最低限の経営指標

指標 意味 目安
1日平均患者数 診療日1日あたりの患者数 損益分岐点患者数との比較
人件費率 売上に占める人件費の割合(院長報酬除く) 診療科により20~25%が目安
利益率(個人クリニック) 売上に対する利益の割合 25%以上、できれば30%以上が望ましい
役員報酬率+経常利益率(医療法人) 売上に対する役員報酬と経常利益の合計割合 25%以上、できれば30%以上が望ましい
月次キャッシュフロー 実際の現金の流入・流出 3~6ヶ月分の運転資金を常時確保

個人クリニックの場合、院長への報酬(生活費)はP/Lの経費に計上されません。そのため、利益率を見る際は「この利益の中から院長の生活費も賄わなければならない」という視点が必要です。医療法人の場合は院長への役員報酬が経費として計上されるため、役員報酬率と経常利益率の合計で経営の健全性を判断します。

【平井公認会計士事務所での実例】

開業3年目の消化器内科クリニックのC先生から「経営が苦しいが、何が問題なのかわからない」とご相談がありました。

当事務所が財務データを分析すると、売上は順調に伸びていたにもかかわらず、医療材料費(薬剤・消耗品)の費用率が適正水準を大きく上回っていたことが判明。発注管理が属人的になっており、スタッフが必要以上に発注し、使わないまま在庫が積み上がっていたのです。

毎月試算表を受け取っていたものの、「経費の内訳まで細かく見ていなかった」と先生はおっしゃっていました。発注ルールの整備と月次棚卸の導入により、年間で約180万円のコスト削減を実現しました。

「数字がわからないから税理士に任せている」という姿勢は理解できますが、最低限の経営指標を毎月自分の目で確認する習慣は、院長が持つべき最低限の責任です。

当事務所では、先生が数字に慣れていなくても「直感的にわかるレポート」を毎月提供し、一緒に経営課題を発見・解決する体制を構築しています。また、経営に問題が出そうなとき、節税ができそうなときは、こちらから先生に提案するようにしています。

まとめ:6つの後悔ポイントと対策一覧

後悔のポイント よくある状況 今すぐできる対策
①手元にお金が残らない 損益黒字なのにキャッシュが減少 月次キャッシュフローの把握・資金繰り計画の策定
②税負担が重い 予定納税・消費税に対応できない 開業直後から税負担シミュレーション・節税策の実行
③スタッフ問題 人件費率が適正水準を超えている 適正人員数の数値管理・給与体系の整備
④節税できていない 対策が後手になる 開業直後から小規模企業共済・資産形成計画の開始
⑤業者任せ 提案の背景を確認せずに損をする 独立した財務専門家を早期に確保する
⑥数字を見ていない 問題が大きくなってから発覚する 月次経営指標を院長自身がチェックする習慣をつくる

おわりに:後悔する前に、一度「数字の棚卸し」をしてください

本コラムでご紹介した6つの後悔は、いずれも「気づいたときに動けば、取り返せる」ものです。ただし、放置すればするほど選択肢は狭まります。

医療の世界では「予防医療」が大切と言われます。経営も同じです。体に異変が出てから病院に行くのではなく、定期検診で早期に問題を発見するように、クリニックの経営も定期的な「財務の健康診断」が必要です。

平井公認会計士事務所では、開業前の資金計画から、開業後の月次財務レポート・節税対策・スタッフコスト分析・医療法人化の検討まで、クリニック経営に関わる財務・税務を一貫してサポートしています。

ご紹介した6つのポイントが「よくわからないから教えてほしい」という先生、「うちのクリニックは大丈夫か、一度診てほしい」という先生も、医療専門税理士事務所「平井公認会計士事務所」まで、ぜひお気軽にご相談ください。

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「売上はあるのに手元にお金が残らない」「節税をもっとうまくやりたい」「スタッフコストの適正水準を知りたい」――そのようなお悩みをお持ちの先生は、まずは医療専門の平井公認会計士事務所の無料相談をご活用ください。オンライン対応で、福岡県内外だけでなく、オンラインで全国のクリニックをサポートしています。

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この記事の著者

平井公認会計士事務所
公認会計士・税理士:平井 恵介


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